【プロテイン神話の落とし穴】

糖質を抜いてタンパク質を摂ってるのに、なぜ痩せないのか?
「糖質を減らして、タンパク質はしっかり摂ってます」
「プロテイン飲んでるのに、体が軽くならない」
そんな声、よく聞きます。
でも実はそこに、大きな落とし穴があるのです。
■ タンパク質は “材料”、炭水化物は “燃料”
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、ホルモンなど体を作る“材料”です。
一方で、炭水化物(糖質)は体を動かすための“燃料”です。
どちらも必要なもの。ところが糖質を減らしすぎると、このバランスが崩れます。
■ 糖質を減らすと、タンパク質が「燃やされる」

※↑イラストは家の一部(筋肉)を取り崩して、暖(エネルギー)を取っているイメージです。
糖質を制限すると、体はエネルギー不足になります。すると、筋肉や食事から摂ったタンパク質を分解し、エネルギーとして使おうとします(糖新生)。
つまり、本来“体を作る材料”として使われるはずのタンパク質が、
“燃料”としてどんどん使われてしまうのです。
これでは、いくら摂っても体を変える材料としては使われにくくなります。
■ 腰痛や疲労の原因にも?

材料が不足すれば、筋肉や関節、靭帯の修復も遅れがちに。
・いつもより疲れが抜けにくい
・腰や肩に違和感がある
・回復力が落ちた気がする
・治ったと思ったら、また痛めてしまう
・肩こり、腰痛が抜けにくい
そんな不調の背景に「栄養の偏り」が隠れているケースも珍しくありません。
実際に私の母は会いに行く度に「膝が痛い」と訴えるのでその都度、施術をしていました。
ある時、私が美味しいからとYouTubeを観て「鶏むねチャーシュー」を作っていると伝えると、それからよく作るようになりました。
それ以降、膝の痛みが激減して今では調子良く過ごしています。
■ 目安となるタンパク質摂取量は?
状況 | 必要なタンパク質の目安 |
---|---|
通常の食事(糖質あり) | 体重 × 1〜1.5g |
糖質制限+脂質あり | 体重 × 1.5〜2g |
糖質ほぼゼロ・脂質も控えめ | 体重 × 3〜4g |
糖質を極端に抜いた生活では、体重60kgの人が1日180〜240gのタンパク質を摂る必要があるという、非現実的な量になってしまいます。
◾️ 鶏むね肉で「180〜240gのタンパク質」を摂ろうとすると?
■ 鶏むね肉(皮なし・加熱前)のタンパク質量
- 100gあたり:約22〜24gのタンパク質が含まれます
■ 計算してみると:
必要なタンパク質量 | 鶏むね肉での目安量(皮なし) |
---|---|
180gのタンパク質 | 約 750〜820g(=約3〜4枚) |
240gのタンパク質 | 約 1,000〜1,100g(=約4〜5枚) |
※1枚=約200〜250gと仮定した場合

1日でこんなに食べれますか??(汗)
■ 解決策は「バランス」

極端に糖質をカットするのではなく、以下のような食事バランスを心がけましょう:
- ご飯は控えめにしても、1日1〜2杯程度は摂る(脳と体の最低限のエネルギー源)
- 良質な脂質(ナッツ、オリーブオイル、青魚など)を取り入れる
- タンパク質は1回20〜40gを目安に、分けて摂る (一度に大量に摂っても体が使いきれず、余分は脂肪として蓄えられる可能性があります)
このバランスを意識するだけで、 「痩せない」「体の痛み、疲れが抜けない」といった悩みが改善することもあります。
さらに、タンパク質を過剰に摂りすぎると、腸で消化しきれなかった分が悪玉菌のエサとなり、腸内環境が悪化する原因にもなります。腸内でのタンパク質の腐敗は、ガスの発生やおならの臭い、腹部の張り感、さらには便秘につながることもあるため、「摂れば摂るほど良い」わけではないことも意識しましょう。った悩みが改善することもあります。
■ まとめ:体を変えるには“材料と燃料”の両方が必要
筋肉をつけたい、痩せたい、元気に過ごしたい——
そのためには、タンパク質だけを増やすのではなく、
それがちゃんと「体づくり」に使われる環境を整えることが大切です。
食事は、“摂ればいい”ではなく“どう使われるか”がカギ。
炭水化物を悪者にせず、上手に取り入れることで、
あなたの体はもっとラクに変わっていきます。